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 派生エンディング含めてほぼコンプしました。ネタバレにならない範囲で、暫定的に感想をば。

 うーん……なんとも評価に困るのですけど、率直にいえば凡作だと思いました。
 前作 『アカイイト』からの予想にもとづいて、期待しすぎた面もあるかもしれません。とはいえ私の場合は前作をプレイしたのも発売から二年半ほど経った昨年のことでしたし、さして強い思い入れがあるとも言えません。ですが少なくとも、手堅くまとまった良作なのは間違いないと思います。とりたてて何かが傑出しているというよりは、シナリオ・CG・音楽といった諸要素がよく調和した、完成度の高い作品。あえて特徴を挙げるとするなら、コンプした後にストーリーを俯瞰してみて初めて物語の全体像が浮かび上がるような、構成の妙こそが光る作品だといえます。
 その姉妹作と位置づけられた作品がこの『アオイシロ』なのですが、完成度という点では前作には及ばないかと思います。

 今作に関して言うと、何か「いまいち盛り上がらないまま終わっちゃったな」という印象がまずあります。ゆったりと始まり駆け足で終わる、典型的な尻すぼみシナリオ。もちろん盛り上がる場面も多々あるのですけど、とりわけ各ルート後半においておざなりな展開が目につき、いまひとつ引き込まれませんでした。よくできている部分と、はっきりいって手抜きとしか思えないような雑な部分とのギャップが激しく、そのために物語にうまく入り込んでゆけない感覚。もう少し練られていればと思うと実に惜しいです。とはいえ保美・カヤルートではヒロインに萌えられましたし、コハクルートでは伝奇要素を楽しめたので、肝心のナミルートとグランドルートのシナリオをもう少していねいに仕上げてくれていれば……
 構成に関しても、およそヒネリが足りない。見せ方、提示の仕方の問題といったほうがよいでしょうか。薀蓄系の小ネタには事欠かないのですけど、「アレ? これで終わり?」という物足りなさが残ったというのが正直な感想。シナリオ重視の作品としては、これではあっさりというより、お話として弱いと思います。

 よいところ、前作と比べてよくなったところももちろん多々あります。
 前にも書いたとおりCGは前作にもまして頑張っていますし、その点なんといってもキャラが可愛い。音楽も文句のつけようのない出来ですし、サントラも是非ほしいですね。設定面の充実ぶりも目ざましい。とくに既読ジャンプ機能がなければ、エンディング数の多さにギブアップしていたでしょう。コントローラのカスタマイズ設定にジャンプや用語辞典を割り当てれば便利でした。スキップの仕様に関して不満はありますが、そもそもこの部分に関して前作から大きな仕様変更なんてあったのでしょうか? 今作においては共通ルートの多さゆえにストレスを感じたというだけではないかと考えます。
 梢子役の日高さんをはじめ声優さんの、とりわけ戦闘シーンなどでの演技も素晴らしかったです。実力のある声優さんが揃っていたので、安心して聞いていられました。

 私の考えでは、この作品はいわば、あれもこれもと欲張りすぎると良かれと思ったことがかえって裏目に出てしまうという例。多くのものを盛り込もうとするあまり、結局は要所がおざなりになってしまう。姉妹作と銘打ったからには、新しい要素を増やすより、前作の持ち味を活かす方向を取ってもらいたかった。題材といいキャラクターといい、ポテンシャルは十二分にあったと思うので、もったいないと思います。
関連タグ: ゲーム アオイシロ 百合

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