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『コミック百合姫S』 Vol.5 感想
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今号はページ増でなかなか読みでがありました。乙ひよりと夏猫も加わっていたし。
例によって部分的感想、基本的に読み返したものだけ。連載物に偏っているのは気にしない方向で。
● 玄鉄絢 「コノハナリンク」
ナイトの可愛さにとろけそうだ。アンドロイド→人間→犬って、大出世じゃないですか。
ラストで登場した女の子は、冒頭のエロメガネっ娘とはまた別人(メガネとか服装とか的に)……なんだよね? 瓜二つだけど。
転校生が主人公なのはわかるとして、それに対するヒロインはどの子なのだろう。前回の、演劇部の二人とのつながりは? ──それらはこれから描かれていくのだろうけれど、転校生を中心にいくつもの線が交差していっている段階で、どこへ向かっているのかがまだ見えてこない。
群像劇と銘打たれているとおりの展開で、かといって『少女セクト』みたいに一話完結形式で各々を描いていくわけでもなさそうだ。次で話が動き出しそうではある。
また今回、登場した迷子の子が気に入った。仕草が可愛い女の子は萌えるよ!
● 吉富昭仁 「夏の蟻」
最初から付き合っているカップルの話って、何気に初じゃないですか?
確かにアリは眺めていて飽きないよな。ちっちゃいころに何時間も巣を見ていて、近所のおばさんに笑われたっけ──ってええぇっ、こんなエロくても大丈夫なのですかねS的には……? 一般誌(のハズ)の性的描写にこんなにドキドキさせられるとは。
砂糖水を吸った綿に寄ってくる蟻、よくもまあ次から次へとイメージ喚起的なモチーフを思いつくものだと感心しつつ、作者の首尾一貫した脚フェチっぷりにも激しく敬意を表したい。毎度すばらしい安定感であります。
● 石見翔子 「flower*flower」
ラストの意外な展開で、ストーリーが動き出しました。これまでのほのぼのムードにも陰りが見え、チラホラする不穏な空気がコワイ。朱のお兄ちゃん(お姉ちゃん?)は何をたくらんでいるのだろう。今まで眼中になかったラマの存在も妙に気になりだしました。
しかしニナの「もうなによ!! 朱は私と子供作りたくないの!?」って、聞き捨てならない萌え科白だなぁ。その同じ口が朱の胸をえぐる暴言を繰り出しているのだとは信じがたい……
● 宮下未紀 「マイナスりてらしー」
前回、マイナス金運とともに康光のもとを去ってしまった美晴。委員長たちが居所を突き止め向かった先で、当の美晴はなんと、サラ金を手がけるヤクザの秘書におさまっていた。
あのヤクザの人たちが債権者ってわけじゃないはずだし、また仮に債権者を潰したとしても松平の債務がチャラになるわけではないだろうから、とすれば何が目的なんだ? ラストの、何だか胡散臭い玉の輿フラグといい、これは続きが気になる。
とりあえず、美晴のスーツ姿と泡姫妄想にゴクリ。メイドもいいけどこれはこれで……
一方、美晴がよい転職をできてよかったと喜びつつ、彼女に寄りかかっていた我が身を反省する康光。いやいやいやいやいや。ここで美晴の真意に何の疑いもいだかないところが、お嬢様のお嬢様たる由縁なのだろう。
委員長も気苦労が絶えないと思うのだけど、この子の世話焼きっぷりにもわりかし度を超したものがあるよな。松平家再興の暁には重用していただかないと、割に合わないですよホント。実は康光のことを好きになっていたりすると百合姫的にはおいしいのか? とか考えてみたが、それだと美晴に呪い殺されてしまいそうな気がしなくもない、今回にかぎっては意図的に。
あんまり関係ないけど、ふるふるシェーカーまじうまいですよね。初めて飲んだときは感動したよ……
● 倉田嘘 「プレゼント」
外見と内面のギャップに悩むというのは、乙ひよりの以前の漫画にもあったけれど、何か身近に感じられるテーマのひとつ。これらの漫画とは逆に、女女した外見のために周囲から型にはめられるというパターンもある。とりたてて不細工とかいうわけでもないならそんなの悩みのうちに入らないと言われるかもしれないけれど、自分がこうあるべきと思うものと実際にあるところのものとの乖離は大なり小なりつらいものなのではなかろうか。
この漫画は、そんなギャップに悩む主人公に対して見えない=盲目の少女を設定したのがキモなのだけど、何か頭でっかちというかネームに頼りすぎていて言わんとするところが伝わってこないという印象を受けました。主人公のモノローグで大半が説明されてしまい、相手の女の子の表情や反応がいまひとつ印象に残らず、いってみれば二人の関係性がいまひとつ腑に落ちない。
とはいえ主人公が目つきだけで正体を見抜かれてしまい、衆人環視のもと改めて告白へというクライマックスの流れはとてもよかったのですけど。前にも言ったとおり絵がかなり好みなので、次も期待。
● 袴田めら 「会長と副会長」
ひいぃ! 短い話なのに、嫌な思い出が強制召喚されてしまいました……
悪気なく口にしたことが取り返しのつかないような結果を招いてしまうのってすごく怖いよなぁ。とくにこの話にかんしては「知らなかったのだからしょうがない」ではすまないような面がある。それを笑って許せる会長は、見かけよりずっと大人なのだろう。副会長も内心ではすでにデレまくり。
やっぱこの二人の話は好きだわ。
● 夏猫 「BLUE LINE」
夏猫さんがこんな情感しっとりな話を描くなんて……アリだな! しかも姉妹百合とか。カッチリとした構成のうまさが流石です。
この際、本誌でもSでもいいのでこの人の漫画をコンスタントに読ませて欲しいもの。今回みたいなのもいいけど、あの極道の娘とかミュージシャンの子とかのみたいなイタカッコいい話もまた読みたいんだぜ。絵も以前と比べてかなり見やすくなっていたと思う。
● 特別付録 「一迅社文庫アイリス・百合ノベル試し読み」
『.(period)』と『ワイルドブーケ』の二作から抜粋して収録。
中世風ファンタジーの『ワイルドブーケ』は、無難な感じだけどなかなか期待できそう。ツンデレ姫を元気メイドが無邪気に籠絡してく展開ですね、わかります。
『.(period)』の方はまあ何て言うか……短い中にもツッコミどころが多すぎ。
どっちも買ってみるつもりなので感想を書く予定。
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